一方、自宅で飲食店の料理を楽しめるテイクアウトやデリバリーサービスへの需要は高まっており、テイクアウトに関する調査レポートによると、全体の約4割が「テイクアウト利用が増えた」と回答しています。[注1]
テイクアウト事業に役立つ厨房機器5選
テイクアウトは、できたての料理をその場で提供するイートインとは異なり、食べる場所や時間帯をお店側が把握できません。そのため、イートイン以上に衛生管理を徹底し、安心・安全な食事をお客様に届けられる環境を整える必要があります。
もともと飲食業を営んでいるお店では、一通りの厨房機器がそろっていますが、新たにテイクアウト事業を始める場合は、衛生管理をより強化できる厨房機器を導入しましょう。
ここではテイクアウト事業に役立つ厨房機器を5つご紹介します。
1. 真空包装機
食材や調理済みの料理を入れた専用パックの空気を抜き、真空状態にできる厨房機器のことです。専用パックはそのまま湯煎できるので、手軽なテイクアウト食品として売りに出せます。
食品は、空気に触れることによる起こる「酸化」と、細菌の繁殖によって生じる「腐敗」によって劣化します。真空状態にすれば、食品の酸化だけでなく、酸素のある環境を好む好気性菌の繁殖を抑えられるため、安全かつ新鮮な状態で長時間保存することができます。
真空パックにした食材や食品は、そのままお客様に提供してもよいですし、注文が入ったときに手早く湯煎調理して提供することもできるので、お店の形態に合った方法でテイクアウト事業を展開できるところが特徴です。
なお、真空包装機にはパックにノズルを差し込んで脱気する「ノズル式」と、ボックス内で脱気する「チャンバー式」の2タイプがあります。短時間で真空にできるのはノズル式ですが、チャンバー式は液体も真空包装できるうえ、シール機能も搭載されているので、テイクアウト事業にはチャンバー式を選びましょう。
おすすめはホシザキのHPSシリーズや、TOSEIの卓上型標準タイプクリアドーム「V-280A」などです。いずれもコンパクトな卓上タイプでありながら、効率よく真空パックにできるので、食材や食品の衛生管理に役立ちます。
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2. 冷蔵ショーケース
注文を受けてから調理し始めると時間がかかりますので、お総菜やサラダ、デザートなどはあらかじめ調理し、冷蔵ショーケースに入れて販売するという方法もあります。
店側にとっては、開店後はレジ対応のみで済ませられるので、お昼どきなど繁忙期でも効率よく注文をさばくことができます。消費者にとっても、注文からテイクアウトまで待たされずに済みますし、実物を目で見て確かめられるので、安心して購入できるところがメリットです。
店頭に設置するタイプだけでなく、仕込みを済ませた食品を保管できる厨房向けタイプもありますので、用途や目的に応じて選ぶとよいでしょう。サイズやデザイン、使い勝手は商品ごとに異なりますので、なるべく複数の商品を見比べてじっくり検討されることをおすすめします。
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3. ブラストチラー
ブラストチラーとは、食品のあら熱とりや急速冷却・冷凍を行う厨房機器のことです。
食品の保管には冷蔵庫や冷凍庫を使用するのが一般的ですが、調理したての食品をそのまま冷蔵庫に入れてしまうと、庫内の温度が急上昇し、機器に負担がかかります。
そのため、調理済み食品を冷蔵庫に入れる際は、あら熱をとる「予冷」が必要ですが、細菌は約10℃〜65℃の環境下で増殖するため、冷ましている間に細菌が繁殖するおそれがあります。
ブラストチラーは、調理したての食品を急速に冷却できるため、細菌が繁殖しやすい温度帯をすばやく通過させることが可能です。もちろん予冷も必要なく、アツアツの料理をそのまま庫内に入れられるので、調理から保管までの手間と時間も大幅に省けます。
また、食材は長く置くほど鮮度が落ちますが、ブラストチラーで急速冷却・冷凍すれば、食品の鮮度を落とさずに保存できるため、料理の美味しさもしっかりキープできます。
保管時の温度も幅広く、保存する食品の種類や用途に合わせて自由に調節可能。庫内の温度域は商品によって異なりますが、たとえばホシザキのブラストチラー「HBC-6TA3」なら、-40℃〜30℃まで細かく調節できます。
4. スチームコンベクションオーブン
スチームコンベクションオーブンとは、熱風を強制対流させるオーブンに、蒸気(スチーム)発生機能をプラスした多機能オーブンのことです。
略して「スチコン」と呼ばれるこのオーブンは、「熱風モード」「スチームモード」「コンビネーションモード」の3種類の調理モードに対応しており、ぞれぞれの機能を使いこなすことで多彩な調理方法を実践できます。
とくに注目すべきは熱風と蒸気を組み合わせた「コンビネーションモード」です。ファンで熱風を循環させて加熱しながら、同時に蒸気を当てることで、「蒸し焼き」「炊き」「煮込み」といった複雑な調理も実現しています。
庫内の温度や蒸気量はそれぞれ調節することが可能なので、さまざまな食材をそれぞれに適した状態で調理できます。スチコン一台でさまざまな調理法に対応できるので、テイクアウトメニューのラインナップを増やしたいときにおすすめです。
また、厚生労働省が発表している新型コロナ対策の指針によると、食器や箸などは80℃の熱水に10分間さらすと消毒できるとされています。[注2]
80℃以上のコンビネーションモードに設定すれば、テイクアウトに使う食器やカトラリー、トレイなども消毒できるため、まさに一石二鳥です。
[注1]厚生労働省:社会福祉施設等に対する「新型コロナウイルス対策 身のまわりを清潔にしましょう。」の周知について
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5. 冷凍ストッカー
細菌は高温多湿の環境下にいると活発に繁殖するため、暑い夏場は食品が傷みやすくなります。とくにテイクアウトの場合、食品を手渡してからお客様が実際に食べるまで、どのくらいの時間がかかるかわかりません。
少しでもリスクを低減できるよう、夏場は保冷剤を添付して提供するのがベストです。保冷剤は冷凍庫で保管する必要がありますが、食品用と併用すると臭い移りするおそれがありますので、別途保冷剤専用の冷凍ストッカーを用意しましょう。
業務用の冷凍ストッカーなら、-20℃〜-60℃程度の状態で冷凍できるので、大量の保冷剤も楽々ストックすることができます。サイズは商品によって異なりますので、厨房のスペースや、保冷剤のストック数に合わせて選びましょう。
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テイクアウト事業を展開するなら衛生管理を強化できる厨房機器を揃えよう
テイクアウトは消費者自身が飲食する時間帯・場所を決めるという性質上、店内で飲食するイートインに比べて衛生管理が非常に難しいといわれています。
食品は基本的に、時間が経つほど鮮度や味が落ちるうえ、細菌が繁殖しやすくなりますので、店内で調理・提供する際よりもさらに衛生面の配慮が必要です。
とくに細菌の繁殖は食中毒の発生につながりますので、真空包装機や冷蔵ショーケース、スチコンなどの厨房機器を上手に活用し、安全でおいしいテイクアウト食品を提供できる環境を整えましょう。
今回ご紹介したテイクアウト事業に役立つ厨房機器は、業務用厨房機器の販売を行っている山下厨機株式会社の通販サイト、ヤマチュードットコムにて取り扱っております。
新品機器のほか、お得な未使用新古品、中古品も多数販売しておりますので、コストを抑えながらテイクアウト事業をスタートしたい!とお考えの方はぜひご利用ください。