カフェ開業時に必要な厨房設備はメニューによって異なるものの、基本的なものは冷蔵庫と製氷機、ガスコンロ、シンク、調理台などが挙げられます。内装に関してはオープンしてから足りないものを揃えても大丈夫ですが、厨房設備はメニューの提供や食材の衛生管理に関わってくるので、不足しないようにしっかり揃えておきましょう。
ここでは、基本的な厨房設備6つと、それらの選び方をご紹介します。
1.カフェの開業で必要とされる厨房設備を6つご紹介
厨房設備はメニューによって必要な機器が異なります。
カフェの場合はお店の規模によってオペレーションスペースに限りがあるので、最低限必要なものから揃えるのがベストです。
ここでは、開業時に「これだけは必要」といえる厨房設備を6つご紹介します。
1-1.食品営業許可の基準を満たすシンク
食材や食器、調理器具などを洗うシンクは、カフェに限らず飲食店で必須の厨房設備です。
業務用のシンクは水槽の数によってタイプがありますが、食品営業許可の基準では1つのシンクの大きさが幅45cm以上、奥行き36cm以上、深さ18cm以上、さらにシンクが2槽以上必要です。
カフェの場合もこの基準を満たされているシンクを準備しなくてはいけません。
ただし、2槽設置するほどのスペースがないという場合は、保健所によっては食洗機を設置することで2槽と認められることもあるので、事前に管轄の保健所に確認する必要があります。
事業計画だけでなく、その後の収支計画をしっかり立てず、「これくらいだろう」というどんぶり勘定や希望的観測をすることで経営が立ち行かなくなる例です。
1-2.使い勝手のよい作業調理台
作業調理台は、提供するメニューのオペレーションがスムーズに行えるサイズを選ぶのが基本です。
ドリンクだけではなくメニューに軽食やスイーツがあればそれを作るのにも活用するので、最低でも2メニューのオペレーションができるようにサイズを決めます。
引き出し付きや引き戸付きなど種類が豊富に揃っているので、用途に合った使い勝手のよさと作業動線をチェックして検討する必要があります。
1-3.メニューに合わせた性能を持つガステーブルかガスレンジ
ガステーブルはガスコンロを内蔵したもので、ガスレンジはガステーブルとコンベクションオーブンを一体化したものです。
内管式の場合は、圧電点火式なので、つまみを回すだけで自動点火できます。誰でも簡単に使用できるでしょう。
外管式の場合は、手動でガス栓を開けて点火するので、火加減の調整が可能です。しかし、慣れるまでは使いづらいかもしれません。
料理メニューによってはガスが必要になるので、メニューに合わせてガステーブルかガスレンジを設置しましょう。
ガスに関しては安全性が重要なので、安全を優先して設置するようにしてください。ガス種も確認する必要があります。
1-4.カフェには欠かせない製氷機
飲み物がメインのカフェでは、製氷機は欠かせない厨房設備です。
製氷機は、ほかの厨房設備を決めてから空いたスペースにはまるサイズを選ぶというカフェも多いようです。しかし、春から夏にかけては氷が足りなくなるお店が多く、別途氷を手配しなくてはならないというお店も少なくないようです。
氷はカフェにとって食材の1つといえるものですから、想定販売個数よりもワンスペック上のものを選ぶのがベストです。
製氷機はコチラ
1-5.食品営業許可の基準を満たした扉付きの食器棚
食品営業許可の基準では、衛生管理上扉付きの食器棚が1台以上必要です。扉が付いていれば何でもよいということではありません。目線よりも下の高さで膝よりも高いというのが設置基準となります。この基準をクリアできるものを選んでください。
カフェのようにオペレーションスペースが限られている場合、吊り戸棚タイプの食器棚が便利ですが、目線よりも高いものでは扉付きであっても基準を満たした食器棚としては認められません。
1-6.食品の保管がしっかりできる冷凍冷蔵庫
冷凍冷蔵庫に関しては、使用する食品を保管するための十分な容量があれば問題ありません。
ここで気を付けたいのは、扉の開け閉めがしやすいか、冷凍庫と冷蔵庫のバランスが食品に合っているかということです。
カフェは厨房内の幅が狭いので、サイズに問題がなくても扉の開閉がしづらいことがあります。
保管したい食品と冷蔵冷凍設備のバランスが合っていないと食品の衛生管理が難しくなるので、どういった食品を扱うのかをしっかりシミュレーションしましょう。
冷凍冷蔵庫はコチラ
2.厨房設備は使い勝手のよさと価格で選ぶ
家電製品であれば、デザインや好み、必要な機能などで選びますが、カフェの厨房設備となるとどうやって選べばよいか迷ってしまうかもしれません。
厨房設備は自分の好みで選ぶものではなく、スムーズに運営できるためのサイズ感や予算オーバーにならない価格など、選び方が家電製品とは異なります。
ここでは厨房設備の選び方を具体的にご紹介するので、参考にしてみてください。
2-1. 動線を邪魔しないサイズか確認
厨房設備は性能で選びたい、という方もいるかもしれませんが、まず大事なのは動線を邪魔しないかどうかです。
いくら性能が高いものであっても、動線の邪魔になってしまうとオペレーションがスムーズに行かないので、メニューの提供が遅れたり仕事のストレスになったりします。
1つのメニューのために性能の高いものを揃えるというのは非効率です。導線を確保できるサイズを選び、その性能に合わせてメニューを考えるというのがカフェ開業のポイントにもなります。
2-2. 厨房設備は大きければよいというわけではありません
飲食店で重要なのは食材管理や衛生管理ですから、冷凍冷蔵庫や食器棚は少しでも大きいほうがよいと思うかもしれません。厨房設備が大きければ作業スペースが縮小されます。厨房設備には、コールドテーブルのように冷蔵庫を作業台として使えるものなどミニマムにまとめられるものもあるので、厨房設備の大きさだけにこだわらず、バランスを考えることが必要です。
2-3. 予算がなければ中古品から探す
本来であれば、厨房設備はすべて新品で揃えるのが理想かもしれません。
厨房設備というのは、物件費用に次いで高額な初期費用がかかるものですから、予算が足りないということもあるでしょう。
しかし、必要な厨房設備が整っていなければオープンできませんから、ローンを組んで購入するという方も多いようです。
ローンを組むのは悪いことではありませんが、万が一上手くいかず閉店となってしまったらローンだけが残ります。
こういったリスクを防ぐためにも、最初は中古品のもので揃えて、お店が軌道にのったら買い換えるという選び方を検討してみましょう。
3.中古を購入する場合は動作チェックと保証があるお店を選ぶこと
飲食業は開業しやすい反面、利益率が低いので廃業するお店も少なくありません。
ですので、飲食店の厨房設備は中古品であっても程度のよいものが多く、タイミングによっては新品同様のものもあります。
といっても、中古は中古ですから、安いというだけで購入するのは危険です。
程度のよい中古品を取り扱っているか、きちんと保管しているかはお店によって異なります。中古品を購入する場合は必ず動作確認をしていて購入後の保証がついているお店を選びましょう。
こういったお店であれば、中古品であっても新品を購入するのと変わらない条件で購入できますから、よい厨房設備を安く揃えられます。
4.まとめ
厨房設備は安く抑えて初期費用を減らすことがカフェ成功のポイント!
ここでは基本として揃えたい厨房設備を6つご紹介しました。
とりあえず全部を揃えればよいということではなく、重要なのは自店の目的にあっているかどうかで選ぶことです。
また、設備によっては中古品でも代用ができるため、初期費用を減らすよう工夫して揃えることがカフェ成功への近道です。
山下厨機株式会社は、動作確認やクリーニングをし、最終テストを終えてから出庫します。納品後でも保証が付いているので安心して購入できます。